解決法:飽きるまで考え抜きましょう。
「忘れようと思えば思うほど忘れなくなる」
このような人の心の厄介な働きについて、心理学の分野でも様々な研究がされています。
1987年、アメリカのウェグナーという心理学者が行ったシロクマ実験というものがあります。
被験者を3つのグループに分け、シロクマの1日を追った50分ほどの映像を見てもらい、1年後に映像の内容をどれだけ覚えているか、というものです。
それぞれのグループには映像を見せた後、以下のような事を伝えます。
グループ1
「シロクマの事を覚えておいてください」
グループ2
「シロクマの事を考えても考えなくても良いです」
グループ3
「シロクマの事だけは絶対に考えないでください」
1年後、映像の内容を1番克明に覚えていたのはグループ3。
皮肉にシロクマの事を絶対に考えないようにしようとしたグループでした。
この結果から、人の心は、考えないようにしようとすればするほど忘れられなくなる、という事が分かったのです。
とはいえ、忘れたい記憶はやはり忘れたいものです。
そんな時は、考えないようにするのではなく、あえて
「飽きるまで考え抜く」
のが良いようです。
飽きるという事は、心が満足していると言えます。
人は満足して飽きてしまったものからは、何の感情も感じなくなり、忘れてしまうものです。
また、少々荒療治ではありますが、毎日、日課のように忘れたい出来事を自虐風に書いてみたり、他人に話してしまうと言ったことも効果的です。
続けていくうちに面倒になって、バカバカしいという感情が湧いたと思ったら、すっと忘れたいと思っていたことを忘れてしまっているはずです。