「大学教授などの専門家の意見をつい鵜呑みにする」

 

「権威の法則」は比較的分かり易いものです。

総じて”人は権威のある人物には弱いため”、昔から大学教授や科学者などの専門家の権威を利用した犯罪は多いのです。

 

実在する宮家の名をかたるとか、〇〇家の末裔などと称して大金を巻き上げる結婚詐欺師事件などもありました。

 

怪しげな健康食品や「幸運を呼ぶペンダント」のような霊感商法的商品では、顔写真と共に外国の博士のコメントが紹介されていると、それらしく見えてしまいます。

 

これも権威の法則を利用しただましのテクニックです。

 

古くは1980年代に大型悪徳商法として大問題になった「豊田商事事件」という詐欺事件がありました。

 

金地金の購入契約をさせ、現物は渡さずに証券だけを渡す「ペーパー商法」を利用した詐欺でしたが、この事件では大物歌手や著名な芸能人が広告塔に利用されたのです。

 

芸能人たちもある意味では「被害者」なのですが、購入者たちは有名人達の広告を見せられてすっかり信用してしまったのでしょう。

 

 

そもそも「豊田商事」という社名も、全く関係のないトヨタ自動車を連想させるために作為的につけたものであり、この事件で権威の法則が使われていることは明白です。

 

 

 

「振り込め詐欺では弁護士などを名乗る手口が横行」

近年の振り込め詐欺でも、弁護士や警察官を名乗る手口が横行しました。

 

例えば、警察官を名乗る男が「振り込め詐欺班を逮捕したところ、あなたの名前が書かれた名簿を持っていた。キャッシュカードが偽造された恐れがある」などと説明。

 

「自宅に金融庁の職員がうかがうので、カードを調べさせて欲しい」などと偽ってキャッシュカードをだまし取る手口でした。

 

警察や金融庁など、権威的な肩書をちらつかせて相手を信用させたのです。

 

 

 

「社会的地位が高い人ほど権威ある人になびきやすい」

この「権威の法則」を利用して他人を操るには、”比較的高学歴な人やある程度社会的に地位がある人ほど効果的”です。

 

他人の上に立ちたがる人ほど、「権威」や「社会的信用」を重視しがちなので、ネットの口コミ

等は信用しない半面、メディアで著名人や大学教授などの専門家が同じ事を語っていたら、すぐに信じてしまうのです。

 

 

権威の法則は、いわば、「虎の威を借る狐」的な手法によって、自分の意見に相手をなびかせるのに有効です。

 

 

「以前に、〇〇社長がインタビューで言っていたことなんですが‥‥」とか「政治家の△△もやっているんだけど‥‥」とか、「テレビで□□先生も言っていたよ」などという前フリが効果的でしょう。

 

逆に権威の法則を知っておくことで、「有名人や権威のある人」の威光を借りて意見を言って来るような人の口車に乗らないという処世術も自然に身に付くはずです。

 

こういった心理術の使い手になれば、相手の手口が分かっているため、そう簡単には他人に操れないようになれるでしょう。